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儲かっている企業の見分け方2.経営者は商売上手か(2)
「1.経営者は商売上手か(1)」の続きです。
株主資本に対して、どれだけ高い利益率を
達成したかということを、
マンションの例でもう少し
説明いたします。
利益が増えるとどうなるかですが、
1000万円の自己資金に対して
費用は先ほどと同じで、
1年に70万円の利益が得られたとします。
利益70万円 ÷ 自己資金1000万円 = 0.07 |
この場合のROEは7%になります。
利益が50万円のときと比べると
利益率が2%高くなるわけです。
このように株主資本に対する
営業利益の比率を見れば、
その企業が商売が上手か下手かが
分かります。
よくその年の業績を1株利益で
評価しますが、それだけでは
実際にその企業が商売が上手か下手かは
分かりません。
1株利益は、
| 1株利益 = 税引利益 ÷ 発行済株式数 |
で計算します。
税引利益を生み出す株主資本が
前年度も今年も同じで、
発行済株式数も同じなら問題ありません。
しかし、前年の利益の一部を留保して株主資本に加えたら
今年の株主資本は前年より多くなります。
少し具体的に説明いたします。
企業は、株主資本と負債(他人資本)を元に
事業を行ないます。
下の表の右側の
赤 + 青 = 総資本 |
の部分がそれです。
| 貸借対照表 | |
| 貸方 | 借方 |
| 資 産 | 負 債 (他人資本) |
| 株主資本 (自己資本) |
| 総資産 | 総資本 |
企業は事業から得られた収益のなかから
まず他人資本(負債)の返済をします。
下の表の右側の
赤 の部分がそれです。
| 貸借対照表 | |
| 貸方 | 借方 |
| 資 産 | 他人資本 (負 債) |
| 株主資本 (自己資本) |
| 総資産 | 総資本 |
次に、税金を支払って
最後に残った税引き後利益
である当期利益が、
株主の持分になります。
下の表の右側
青の部分の当期利益
がそれです。
| 貸借対照表 | |
| 貸方 | 借方 |
| 資 産 | 負 債 (他人資本) |
株主資本 (自己資本) ----------- 当期利益 利益10%増 |
| 総資産 | 総資本 |
前年より10%多くの株主資本を使って、
利益が10%増えたとしても、
実質的な利益率は変わらないわけです。
ところが、先ほどの計算式では
発行済株式数が変わらずに
利益が10%増えれば、
1株利益も10%増えてしまいます。
利 益 → 10%増 |
となります。
例をあげてみましょう。
| A社前年度の1株利益 税引利益 =10億円 発行済株式数 = 5000万株 だとすると、 10億円 ÷5000万株 = 20円 1株当たり利益(EPS) = 20円 |
となります。
前年より10%多くの株主資本を使って、
利益が10%増えると、
| A社今年度の1株利益 税引利益 =11億円 発行済株式数 = 5000万株 だとすると、 11億円 ÷5000万株 = 22円 1株当たり利益(EPS) = 22円 |
というように1株利益も10%増えてしまいます。
ようするに、
前年度と同じだけのお金を使って、
利益が10%増えたのであれば素晴らしいことですが、
前年より10%多くのお金を使って、
前年より10%利益が増えたわけですから
当たり前ということになります。
このように1株利益だけでは
その企業が商売が上手か下手かは、
わからないのです。
しかし、株主資本利益率の財務指標も
負債が増えると利益率が
高くなってしまう可能性があります。
それについては、次回お伝えいたしますね。