手堅く10年で10倍を目指す 『株式投資の基礎知識』 > 投資家が儲かる企業とは > 2.経費率は低いか
投資家が儲かる企業とは2.経費率は低いか
ここでは企業の経費についてお伝えいたします。
前回お伝えいたしました、
ソフトを開発するような企業であれば、
設備投資をあまり必要としないので
利益が多く残ることになります。
しかし経費率によってこの利益に
大きな差がでてしまうのです。
たとえばソフトを開発するA社とB社があり
この両社が同程度の売上だとします。
A社の場合、設備投資をしなくてよい分、
利益が多く残るという事に甘んじてしまい、
人件費などの経費増大に注意しない経営を行えば
経費率が高まり
利益はあっというまに減少してしまいます。
逆にB社は、利益が多く残るときでも
常に経費を節減することに努力し
経費率の低い経営を行えば
利益はさらに増えることになります。
たとえばインドのIT企業ですが。
インドのITエンジニアの人件費は、
欧米の7分の1だそうです。
インドのIT企業が、
海外の顧客向けのサービスを
海外で開発して提供した場合
欧米の企業に比べ
料金を40%コストダウンしても、
人件費が安い分
粗利益率が30%あるそうです。
それにもかかわらず、
さらに経費削減のため、
営業を海外で展開しながらも、
開発はインド国内で行うことによって
粗利益率が60%、
売上に対する利益の比率は33%
にもなるそうです。
経費の削減による利益率の向上は、
設備投資が必要な自動車製造などの
企業ではさらに開きがでます。
売上高と販売台数で世界1位を争う
GMとトヨタですが、
トヨタは、決算発表になると
「○○年3月期通期の業績予想を上方修正。
営業利益は前期比○○%増の○兆○○億円と、
日本企業として初めて○兆円に乗せる見通しだ」
というようなニュースがでます。
対するGMは、一部工場の閉鎖、
人員のリストラなどの経営不振を
伝えるニュースばかりです。
売上高が世界1位と多くても
利益はいっこうに増えません。
逆にトヨタは経費削減を創業期から行い
カイゼンやカンバン方式による
利益率の向上が企業体質になっています。
世界最高水準の安全性を誇る車を
生産しているにもかかわらず
経費率は低く抑え多額の利益を確保しています。
このトヨタのカンバン方式を取り入れて
経費の削減に成功した例が
新聞に載っていましたので
カンタンにご紹介します。
住宅分電盤の国内トップメーカーの話ですが、
ここでは部品加工から組立検査まで一貫生産する
コンパクトブレーカーを
たった12人の従業員で月産70万個制作しているそうです。
これを中国で作ろうとしたら500人は必要になるといいます。
経費削減のためトヨタ自動車のOBを指導役に迎えて
カンバン方式を取り入れて生産性を上げたほか
さらに納期も短縮できたそうです。
このように、経費に対する取り組みかたで、
人件費をこれだけ圧縮することができたのです。
それによって経費率を低く抑えた分
多くの利益を確保することができます。
ここでお伝えしたように投資対象としては、
各年の経費率の動きをみて
経費率の高い企業は避け、
常に経費を節減することに努力している
経費率の低い企業を選びたいものです。